攻めのテレワーク

福利厚生だけじゃない、《攻めのテレワーク》 実現に向けて

著者: Ena Ishikawa
日付: 16-Apr-2018

テレワークとは

テレワークとは 「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語、日本語です。一般社団法人テレワーク協会では下記のように定義しています。

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

テレワークと同等の用語として外資系企業でよく使用されているのが、「Remote access」、「Remote user」、「Work from home」 と場合によって表現は変わりますが、場所や時間にとらわれないという意味では、日本語で言うテレワークは幅広いリモートアクセス環境をさしているともとれます。

テレワークの現状

週1日以上、終日在宅で就業する会社員は実際のところ、どのぐらいいるのでしょうか?

2015年3月に国土交通省にて発表された、平成26年度の雇用型在宅型テレワーカー数の割合は3.9%となっています。また、こちらは前年より0.6ポイント減っており、前年対比40万人減の約220万人となっています。 政府は、2020年までに週1日以上は在宅で働く「雇用型在宅型テレワーカー」を全労働者の10%以上にする目標を掲げていますが、道半ばにして目標達成にはまだ程遠い印象を受けます。

推進しているはずが、減っている。なぜでしょうか?

ICTの技術は日々進化しており、技術的視点のみで見ると導入は容易です。実際に、総務省の調べによると社外からのPC・携帯電話等の接続環境も過半数の企業で導入されており、営業担当や、IT担当等モバイルワークを必要とする業務について言えばすでに普及しています。

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総務省「特集 ICTがもたらす世界規模でのパラダイムシフト」より
社外からの企業通信網への接続環境

要するに、雇用型在宅型テレワーカーが定着しないのは技術的な問題だけではないと言えます。

パラダイムシフトでテレワークを成功に導く

私事で恐縮ですが、11年前に長男を妊娠した際、6年前に次男を妊娠した際と2回の妊娠中にテレワークを利用しました。 その時点で弊社にテレワークという制度があった訳でありませんが、幸い、理解のある上司に恵まれ、業務に支障のない範囲でテレワークを実施できました。実際に大きいお腹を抱えたり、つわりで苦しみながら無理して往復2時間の通勤を要するのであれば、その時間は在宅で効率よく業務をこなし、会社の為に生産性を挙げるほうが効率的な場合もあります。

しかし、女性の妊娠・育児休暇中等のテレワークはあくまで一例に過ぎません。

例えば、終日オフィスに篭って報告書やプレゼン資料等を製作するのであれば、在宅で集中作業を行ったほうが効率的な場合もあります。 テレワークを浸透させるには、まず企業がその利点を理解することにあります。福利厚生ではない、生産性を挙げる=「攻めのテレワーク」を実現する為にはあらゆるITツールを駆使し、在宅でも社内と変わらない業務品質を保つ必要があるでしょう。

テレワークが浸透しないのは、どうしても福利厚生のイメージが強く「生産性を上げる」という利点が理解されにくいようです。テレワークを成功に導く為には、「テレワーク=生産性向上」とパラダイムの変換が必要です。

生産性というポイントに焦点を当てても、下記のようなメリットが考えられます。

  • 勤務形式にとらわれない優秀な人材の確保
  • 営業効率の向上による業務のスピードアップ
  • 通勤、移動時間短縮によるコスト削減
  • 非常災害時の事業継続(BCPの一環)

このように、テレワークの利点を改めて認識し、そこで初めて目的を持って戦略的にテレワークを導入できるようになるのではないでしょうか?

ICTツールの導入・活用

テレワークの形態は様々ですが、下記のようなICTツールがあると便利でしょう。

必須システム

  • インターネット接続
  • メールシステム

あると便利なシステム

  • クラウド勤怠管理システム
  • VPNやリモートアクセス
  • 社内インスタントメッセージシステム 
  • ビデオ会議 or ビデオチャットシステム
  • クラウド電話システム
  • プリンター

まず、どのようにテレワークを実施するか、企業内で話し合いの場を設け、**「攻め」**のテレワークを実現することで、結果的に生産性、職場満足度の向上、しいては優秀な人材の確保に繋がっていく事でしょう。

また、テレワーク推進の為、中小企業を対象に下記のような助成金制度もあります。 上手に活用する事で経営に役立てることができるのではないでしょうか。

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